ADSL(AsymmtricDigitalSubscriberLine=非対称デジタル加入者線伝送)は、従来の電話線を使って、そのキャパシティを数十倍まで増やすことができる技術である。電話線である銅線内で使用されているアナログの電話信号周波数は4キロヘルツだが、このADSLでは、デジタル信号を数十キロヘルツと1メガヘルツという高い周波数帯域で伝送するため、既存の電話音声信号を妨げることなく、高速でデータ伝送をおこなうことができる。私たちが通信をおこなうときに発する信号には「上り」の信号と「下り」の信号の二つがある。たとえばホームページにアクセスするとき、パソコンからクリックなどで制御信号を送る場合は「上り」である。それに応えて、ネットから送られてくるホームページの画像などのデータを受け取るのが「下り」の信号である。ADSLの「非対称(Asymmetric)」というのは、この上りの信号と下りの信号の周波数と伝送速度が、それぞれ、数十キロヘルツ〜数百キロビット/秒(以下Kbps)と、1メガヘルツ数メガビット/秒(以下Mbps)以上と、まったく非対称になっていることを意味している(画像などを受け取る「下り」のほうが速い伝送速度が要求されるからだ)。現在、家庭のパソコンとモデムで使われているデータ伝送速度は、基本的に最大で33〜56Kpbs(デジタル通信をおこなうISDNの場合は64Kbps)ということから考えると、ADSLのデータ伝送量は20倍近いものになる。つまり、いままでダウンロードするのに20秒かかっていた静止画像が、たった1秒でクリアに見られるようになるということだ。既存の銅線(電話線)を使うADSLに対して、WDM、ATMは光ファイバーを使うことを前提にした技術である。これらの技術について述べる前に、デジタル通信網であるISDN(IntegratedServicesDigitalNetwork)に触れておこう。
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